第27班 舞台「蛍」観劇
先日、小劇場を中心に活躍している俳優の友人•石井 舞さん出演の舞台に行って来ました
以下、感想です
(極力ネタバレしないように書きました)
ある二人の棋士の物語
一人は壮絶な宿命を背負った若き天才
一人は遅咲きながら、叩き上げで地位を得た実力者
二人の棋士をめぐる人間関係と少しずつ明かされる二人の過去、秘密、トラウマ、覚悟...
それぞれの人物の話し方や仕草、沈黙の理由が後半に謎解きのように明かされていき、コミカルな場面もありながら、全体には重厚なサスペンスを観たような感覚になります
舞台の三分の一は将棋を囲んだ会話劇という挑戦的な作品ながら劇中全く飽きさせず、息をのむような緊張感が漂い、いつのまにか引き込まれているような作品です
中盤の舞台全体が蛍の光に包まれる場面は、儚く残酷で美しい蛍の存在と、人の一生が重なるようでした
令和の群像劇の在り方を模索する第27班の再演作品である今作
箱型の小さなステージが積み重なったような作りの舞台に、2〜3の小編が同時に進行していきます
さざなみから大きな波になり、大波が打ち寄せ合うようにクライマックスへ向かう演出で、2時間余りが短く感じました
一部、「虐待」など人によってはショックな言葉も出て来ますが、絶妙にグロテスクにならないように配慮されていて、全体を通して「棋士たちの対局」が焦点になっています
ニュースの向こうの出来事が今も確実に存在していることの凄惨さを思ったり、棋士という生き方に思いを馳せ、翻って自分はどう勝負していこうか...と想像するなどしました
12/11 千穐楽 終了
三鷹市芸術文化センター星のホールにて
◆第27班
◆石井 舞
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